Savon de

Marius Fabre

マリウス・ファーブル社が守り続けている石鹸作りと会社の歴史をご紹介します。

マリウス・ファーブル社の石鹸作り

「120年以上前から、マリウス・ファーブル社では、石鹸を口に含んで品質を確認しています。このノウハウを今日も保っている工房が他にあるでしょうか?」
マルセイユ石鹸の製法は、人間の感受性と観察に基づき、経験の蓄積だけを頼りに何世紀にも渡って進化してきました。大釜の中で沸き立つ石鹸を体得した石鹸職人たちは、錬金術にも似た製法にちなんで「火の達人」と呼ばれました。
マリウス・ファーブル社では、1900年の創業時から「マルセイユ方式」を守り、唯一無二のノウハウを世代を超えて伝え続けています。

 鹸化
大釜で加熱し、植物油脂が熱とソーダで反応して石鹸に変化します。
 洗い
ペースト状になった石鹸を塩水で洗い、余分なソーダを洗い落とします。
 煮込み
熟練職人の見守る中、石鹸のペーストを120℃の大釜で10日間煮ます。
 再び洗い
石鹸ペーストを真水で洗い、不純物を取り除きます。
 流し込み
まだ熱い石鹸ペーストを、大きな乾燥槽に流し込みます。
 乾燥
石鹸をミストラル(フランス南東部に吹く乾燥した強い北風)で48時間乾燥させます。
 切り出し
乾燥したら、大きな塊から2.5㎏の棒状にカットします。
 刻印
1本ずつ刻印を押します。これが伝統的なマルセイユ石鹸であるという印です。

マリウス・ファーブル社では、常に伝統製法に則った製品づくりを行い、じっくりと時間をかけて「本物の」マルセイユ石鹸を作り続けています。
また同社では、東南アジアの森林伐採に対する危惧から、パーム油の使用を完全に廃止しています。

マリウス・ファーブル社の歴史

1900年、同社の創業者マリウス・ファーブルは、22歳で石鹸工房をサロン・ド・プロヴァンスに設立。自宅の庭を改造し、大釜を2つ設置するところから始めました。
当時、サロン・ド・プロヴァンスの町は、鉄道開通を受けてオリーブオイルや石鹸、コーヒーの流通がさかんになり、経済成長の真只中にありました。
マリウスは販売網を築き、業績を伸ばしていきます。

1927年、業績好調を受け、マリウス・ファーブル社は現在の所在地に移転します。
敷地も広く、石鹸作りに必要な巨大タンクを複数収容できるようになりました。
石鹸作りは昼夜行われ、毎日トラック2台分の製品をマルセイユに運び、帰りは原料を積んで戻るという日々でした。 マリウス・ファーブル社は第二次世界大戦を控えた時期にマリウスの長男フェルナンドへと引き継がれます。戦後はマリウスの末息子アンリが後を継ぎ、後にアンリの息子マリー・エレーヌと夫ロベール・ブスケに、現在はその娘たち、マリーとジュリーに伝統のバトンが引き継がれました。

マリウス・ファーブル社はフランス政府より無形文化財企業(EPV)に認定されています。この認定は、卓越した伝統技術と現代技術を兼ね備えた企業に対して発行されるものです。